
ファッションの働きとその働きのおかげで発展するために必要なことを解説します。
人間の欲求というのは生理的や物理的な欲求が満たされても、とどまることを知らず、さらに美的、精神的、社会的な欲求までをも満たそうとします。特にファッションに関しては人々にとって自分を主張し表現する手段として用いるわけですから、なお一層美的、精神的、社会的充足感を求めるのです。例えば、昔のロココ時代のバルーン型スカートや1900年代初頭のS字型スカートなどが良い例で、機能性に優れていないデザインであっても、その時代の人々にとってはそのデザインが最も美しく、効果的な衣装であるとされていたのです。こうして、美的、精神的、社会的充足感が強く求められる衣装において、ファッションは精神に刺激を与え、活性化させる活性剤としての働きがあるのです。
人はいつの時代においても飽きることなく次から次へと新しいスタイルを追い求めていくわけです。また新しいスタイルがどんなものであっても、人々がそれを望めば、ファッションはこれまでの社会や文化までもを変貌させることができ、一つの社会現象を引き起こすまでのパワーを持っているのです。
ファッションが生まれ、発展していくためには、それなりの条件が備わっていなければなりません。階級社会であった古代や中世では生活が規制されているので、自己表現をしようとする欲求はなかなか芽生えてこない環境でした。しかし身分や階級制度が少しずつ崩れてくると、新しいスタイルが人々の中に比較的自由に取り入れられるようになってきました。この自由な時代にプラスして金銭的な余裕や時間的な余裕、交通、輸送、伝達機関の発達などの条件が加わることで、さらにファッションが発展していったのです。
RESPECT